世界に必要なもの
2016年12月25日
ルカによる福音書2章1節 - 7節
皇帝からの勅令・人口調査。生まれたところに帰れ。過去に帰れ。過去を捨てて旅立ったものもいた。過去からのしがらみと分かれて未来への希望を抱いているものもいた。そういうもの全員に勅令は下る。お前たちに選択できる自由などないと。支配の中に呼び戻す勅令に従ったヨセフとマリアもナザレからベツレヘムにやってきた。
「身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録をするために」と聖書は記す。不思議なことだ。結婚前の女性の妊娠。しかも父親が分からない。これは重罪。ナザレで起こった事件であるからベツレヘムではいかようにもごまかせたはず。10ヶ月の時間もあった。細工するには十分な条件があった。にもかかわらず二人は妊娠した婚約状態で登録をしようとしてる。
その状態のままで出産を迎える。生まれた子どもは飼い葉桶に寝かされた。飼い葉桶・動物が餌を食らう食器である。食べられる場所、食料として、その子どもはいる。
飼い葉桶の主イエス。命を守ろうとしていない。十字架の姿、聖餐式の内実がすでにある。
そして何も細工をしなかった二人と無防備な赤ちゃんには共通した態度がある。
堂々としている。
細工しない、命を守らない、すべてを引き受け、これが私だと何かに引け目を感じるそぶりも示さない。堂々としている。
宿屋はいっぱいだった。支配の中に引き戻される人々で宿屋はいっぱいだった。宿屋には彼らのいる場所はなかった。
人は支配によって、人の力によって形作られるのではない。神によって造られる。
神の定めた道を引き受け、信じて歩む。
堂々としている。
0コメント