6月16日 主日礼拝
6月16日 主日礼拝
礼拝説教
伊藤大輔牧師
使徒言行録 3章1~10節
ペンテコステの日に起こった出来事。
空間に違いはない。
時間に違いはない。
時空、世界に違いはない。
世界は同じ。
どこまで行っても、いつになっても
永遠
それがこの世界の本当の姿。
エルサレムの美しの門に佇む生まれながらに足の不自由な者。
物乞いをして毎日を過ごしている。
自分はみんなとは違う。
自分には足りないものがある。
道行く人々も思っていた。
この者は私たちとは違う。
この世界には「違う」がある。
エデンの園で暮らしていたアダムとエバ。
蛇が彼らに語りかける。
あの「善悪の知識の木の実」を食べてみろ。
神のようになれるぞ。
お前は神ではない。
お前には足りないものがある。
お前は不十分。
足りないものを補え。
それが人のしなければならないこと。
アダムとエバは自分は足りない者だと信じ込んで木の実を食べる。
足の不自由な者
自分には足りないものがある。
これを補うために物乞いをする。
自分の不足、自分の不十分さ
それを補うことが生きる目的だと思い込んでいる。
私たちなのではないか。
足りないものがある。
それを補い、それを獲得することが幸福というものだ。
自分には足りないものがある。
自分に足りないもの、
自分以外のもの。
自分以外のものに心が捕われていく。
美しの門で物乞いをしている足の不自由なもの。
ペテロはその者に向かって語る。
金銀は私にはない。
金銀であなたの問題は解決しないだろ。
イエス・キリストの名によって立ちなさい。
ペテロにとってのイエスとはなんなのか。
自分の先生、自分のお手本だった方。
その方をペテロは裏切った。
十字架の前の晩
あんな男は知らないと吐き捨てるようにしてイエスを見捨てて逃げ出した。
その後、イエスは何事もなかったかのようにペテロと接する。
共に食事をし、ペテロを励まし、神の守りがあることを告げる。
何も変わっていない。
ペテロにとってイエスとはなんなのか。
変わらない
死に飲み込まれても変わらない。
何も変わらない
世界そのもの
本当の世界を表してくれた方。
この世界は何も変わっていない。
違わない
同じ。
神が世界を造った。
神はその世界を良いと言った。
この世界は変わらない。
この世界は今も良い。
ペテロは物乞いの手を取って引っ張り上げる。
自分とみんなは違う。
自分には足りないものがある。
違うが世界を支配している。
それは違う。
本当の世界を見せてやる。
手をとって引っ張り上げる。
物乞いは立ち上がり、自分の足に力が漲るのを感じる。
立ち、歩き、躍り上がる。
皆と何も違わない。
何も足りないものはない。
全てが自分には備わっている。
私は立っている。
立ち尽くし、うずくまる。
みんなと自分は違う。
自分には力がないとうなだれる。
私たちの日常にあること。
だが、それは本当か。
本当の自分か
本当の世界を見ているのか。
物語は私たちへ問うている。
世界はそんなもんじゃない。
0コメント