「一羽の雀に」


2020年3月29日
森下滋伝道師
イザヤ書55章8節-13節
ルカ12章4-7節

   チケットを頂いたので見に行ったミュージカル「シスターアクト 天使にラブソングを」。主人公のデロリスはクラブ歌手であるが、トラブルに巻き込まれて修道院に匿われる。今まで生きてきた世界と真反対な修道院での生活。何とか厳しい戒律の中でも生活出来るようになったが、修道院に隠れている事がマフィアにバレて立ち去る事になる。友人となった修道女見習いの少女がはなむけの言葉を送る。それを聞いたデロリスは「イザヤ書55:12ね」と答える。しかしこの舞台を見ている日本人のほぼ全てはこのセリフの意味が分からない。よって大切な伏線を理解出来ないのだ。

   主の思いは私達の思いと異なりそれを高く超えている(v8-9)。そして主の言葉は必ず実現する(v11)。主には望みがある。それは何か。今の場所から出て行く私達は、喜び平和の内に出て行く。その時に山々と丘は喜び歌い、木々は手を叩く。あなたが出て行く事は素晴らしいのだ(v12)。では何故あなたは出て行くのか。

   映画「天使にラブソングをII」では、ローリン・ヒル演じる高校生の少女にスポットが当たる。高校に馴染めず居場所がない。人生に悩み、大好きな歌も歌いたい様に歌わせてもらえない。誰が私の事を理解してくれるのかと問うた時に勧められたのが「一羽の雀に」という賛美歌。友人と共に久し振りに楽しく歌えたのに、また暗い現実に引き戻されてしまった。どうすれは良いのか。

    主イエスは私達を友と呼び、愛を持って命じる。「あなた方は恐れさせられてはならない、体を殺す事が出来てもそれ以上の事は出来ない者によって」(v4)。そして主は警告する。「ゲヘナに投げ込む事が出来る権威を持った方を怖れよ」(v5)。「神殿で2アサリオンで売られている五羽の雀の一羽でさえも神の視界においては無視されていなかった(完了形)」(v6)。「あなた方の頭の髪まで神は全て数えられた。あなた方は多くの雀よりも勝っている」(v7)。

   イザヤが預言した神の望みとは何か。神があなたと共にいたいと望む事。あなたは多数の雀よりも愛されている。だからこの世の事に関して恐れてはならない。生きていく現実、失敗、絶望を恐れるな。神はあなたを放棄する事は無い。あなたを苦しめるものは全て人が作ったこと。神の独り子イエス様を十字架にて殺させてまでも私達を愛し続けている神。神はあなたを忘れていない。恐れから喜びへと出て行こう。

日本基督教団本多記念教会オフィシャルサイト

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