導かれて

2018年12月30日

伊藤大輔牧師

マタイによる福音書2章1-12節

星に導かれ、占星術の学者たちは

生まれたばかりの主イエスのもとに導かれてやって来る。

クリスマスの一場面。

この物語は私たちに何を語っているのか。


占星術の学者、原文では「マギ」となっている。

ペルシャの方から来た宗教の専門家とも考えられる。

彼らは、星に導かれ旅をしてきた。


もう一人の登場人物、ヘロデ王。

彼もまた宗教の指導的立場のもの。

一国を統治するもの。

その王に向かい旅をしてきた学者が訪ねる。

「新しい王はどこか」


ヘロデの自己確認が崩れる。

私はもはや王ではないのか。

少なくともこの異国の者たちは自分を王とは思っていない。

 

異国からの学者。

一国の王。

この両者はクリスマスの内容を語っている。

 

占星術の学者、星に導かれ旅をしてきた。

星、

空に輝くもの、遠くのもの。

旅をしてきたもの、遠くから来たもの。学者たちは「遠く」を体験している、「遠く」を知っている。


ヘロデ王。

彼は自分の立場に執着している。

やがて彼はイエスと同年代の赤子をすべて殺す。

近く、

自分、

そこに心が奪われているもの。

 

救いと出会う。

神と向き合う。

それはどのようにして起こるのか。

物語は語る。

遠くを見ているもの。

遠くへと進むもの。

「遠く」を引き受けるものがクリスマスと出会う。


ザカリア、エリサベト、

子供は遠い過去のものと思っていた。

マリア、ヨセフ、

子供は遠い未来のものと思っていた。

遠くにあると思っていたものがここにある。

クリスマスに生まれてくる者の名前、

その名はインマヌエル

「神われらと共に」。

遠くにいるものと思っていた方がここにいる。

 

人の希望、夢、願い、遠くにあると思っているもの、

あきらめよう、

忘れようとしてるもの。

そばにある。

神が共にいる。

すべてが近い。

すべては備えられている。

 

近くを見ても見えないものがある。

神の備え、

計画、

まことの喜び。


近くを見ても、

怯えと執着しか生まれてこない。


遠くを見つめる。

遠くに思いをはせる。


必要なもの、

大切なもの、

喜び。

見えてくる。

ここにある。

恵みの内に私はいる。

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