4月4日イースター礼拝

伊藤大輔牧師

マタイ福音書28章1ー10節

タラントンの譬え話。

自らのタラントンを引き受け、それを増やす。

タラントンの譬えは主イエスご自身のものではなかったのか。


主イエスが引き受けたタラントン。

それは十字架にかかること。


天の父が人々の罪を裁く。

だが、その裁かれる人々は神が造り、愛したもの。

愛するものを裁く。

神の苦難がある。


罪のない主イエス。

裁きの外にいた主イエス。

そのものが神の裁きを受ける。

ならば罪あるものは裁かなくともよくなる。

それで良いですね。

あなたの御心がなりますように。


主イエスは自らのタラントンを果たすべく十字架にかかる。

タラントンをいただいたものでそれを減らしたものはいない。

タラントンは用いれば必ず増える。


自らのタラントンを用いた主イエスはどうなったのか。

墓に葬られた。

その墓にマグダラのマリア、もう一人のマリアが向かう。

闇であるはずの墓穴が光輝いている。

稲妻のような天使が白い衣を着て座っている。

「ここにイエスはいない。復活してガリラヤで待っている。そこに行くように弟子たちに伝えなさい」と言付かる。


死者が甦る。

誰も信じるはずのない言葉。

権力者たちは「イエスが復活した」と弟子たちがふれまわるのではないかと警戒している。

復活を語ろうものなら、すぐに捕らえられてしまう。

信じてももらえないし、捕らえられるかもしれない危険な言葉。

その言葉を語ること。

それが二人のマリアに与えられたタラントン。


タラントンを引き受けた二人のマリアの前に主イエスが現れる。

待っていてくださっていた。

危険で孤独なタラントン。

それを果たそうとする時、その者はただ放り出されているのではない。

その先で待っている方がいる。

タラントンを果たしたものが待っている。

復活したものが待っている。


そして語りかけられる。

「恐れるな」

必ずタラントンは増えるから恐れるな。

私が待っているから恐れるな。


二人のマリアは自らのタラントンを果たしに弟子たちに主の復活を告げる。

その言葉を喜んだもの、否定したもの様々いたが、タラントンは引き継がれた。

そのタラントンは決して歓迎されるものではなかった。

それどころか迫害も経験しなければならなかった。

それでも自らのタラントンに忠実なものが生まれて来た。


2000年の年月が流れ、そのタラントンは世界中に教会を作り、学校や社会的組織、国家までも生み出し様々な思想に影響を与えている。

決して減ることはなかった。

このタラントンは二人の女性から始まった。

私のタラントンを知り、受け入れ、果たす。

世界はいつでもそこから始まっている。



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