すべてはここに

2018年9月2日

使徒言行録13章13-31節

  本日は「振起日」。

夏から秋に向けて気持ちを新たにする日として守られている。

本日の聖書の箇所。

アンテイオケの会堂長がパウロに皆を励ます言葉を語って欲しいと依頼する。

新たな気持ち、振起日と重なる求めでもある。

その求めに応じてパウロはイスラエルの歴史を語り出す。

この時、彼らにとって自国の歴史とはいかなるものであったのか。

かつては確かに神に選ばれ、守られた時を持った。

ところが今やローマ帝国に囲まれ、かつてあった栄光は過去の遺産となった。

過去に何の意味があるのか。

神の業に何の励ましがるのか。

未来は暗い。

時間は暗い。

歴史の中で働いた神は今の私たちとは関係がない。

その彼らに向かってパウロは歴史を語る。


 パウロは洗礼者ヨハネについて語る。

ヨハネは「自分より後から来る方は私よりすぐれている」と言う。

主イエスが苦難を味わったのは言葉が実現するためだったと言う。

ここにはある共通点がある。

ヨハネの言葉は先を予見する言葉。

主イエスは言葉の実現。

その「言葉」とは未来について語られていたもの。

パウロがここで取り上げているものは「未来」について語られたものは実現しているとの指摘。

さらにパウロは主イエスについて「約束」に基づいて現れた方と言う。

「約束」とは何か。

約束は必ず未来と結びついている。


 パウロの考える歴史とは何か。

未来が実現してきたものが歴史。

未来に進むことは五里霧中を進むことではない。

未来はいつでも神の御手の中に置かれていた。


不安、絶望、私たちは味わう。

未来に進むことに意味を見出せないこともある。

その私たちにもパウロは語りかける。

先に進め。

そこには神の約束がある。

約束の内容を私たちは知らぬともよい。

否、知りえない。

約束はいつでも私たちの思いを超えている。

未来に進むことは無意味ではない。


未来は私を待っている。

この向こうに何かある。

振起日に心に留めたい。 

日本基督教団本多記念教会オフィシャルサイト

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