10月15日 主日礼拝
礼拝説教
伊藤大輔牧師

マタイによる福音書26章36〜46節

ゲッセマネの園で主イエスは祈る。
苦き盃を遠ざけてくれ。
神の御心がなりますように。
相反する事柄の間で主は祈りを続ける。
結果、主イエスは十字架を選ぶ。
イエスが十字架にかかることで何が起こったのか。
教会はイエスの十字架を2000年、大切にしている。
殉教をした者は他にも大勢いる。
何故、イエスの十字架だけが特別なのか。
そこにしかないものがあるから。
人はイエスの十字架に何を見たのか。
十字架で人類が発見したものは何か。
その「ヒント」「答え」がゲッセマネの園の弟子たちにある。
イエスから「起きて祈っているように」と言われた弟子たち。
イエスが苦しんで祈っている間、彼らは眠っている。
イエスの言葉を聞いていない。
真剣に聞こうとしない。
無視しても良いもの、聞かなくても良いものと処理をした。
弟子の周辺にいる人々
エルサレムの人々、祭司長、律法学者、ファリサイ派の人々
弟子たちと同じ。
イエスの言葉は聞かなくても良いのも
なくても良いもの
いっそ消してしまっても良いもの。
イエスが語ったこと
神について
神を語った。
イエスはいらない。
その言葉はいらない。
イエスの十字架は人類に何を告げたか。
人はイエスの言葉が分からない。
神が分からない。
神を受け入れず、拒絶する。
人とは何か。
神を殺すもの
それが人間
十字架が人類に告げたこと。
十字架で発見できたこと。
人は神を殺す。
人類はその初めから神を蔑ろにしてきた。
無視してきた。
「善悪の木の実を食べるな」と言われたアダムとエバ。
「お前には足りないものがある」と蛇に唆され、
神の言葉を無視する。
神を捨てる。
イエスが語ってきたこと
あなたは地の塩、世の光
あなたはちゃんとしている。
世界を救う力を持っている。
聞いたものは皆、喜んだ。
だがその言葉は余計なものに心奪われるな、と続いていく。
余計なもの
善悪の知識の実
蛇の言葉に心奪われた人からすればこれは大切なもの。
自分を形成している掛け替えのないもの。
それを捨てろというのか。
それは私に死ねと言っているのと同じこと。
私を壊そうとするものを私は許さない。
神だって殺す。
余計なものが張り付いたグロテスクな自分。
それを人は自分だと思っている。
重くグロテスクになった自分にはまだ不足しているものがある
もっと集めなければ、もっと重たくならなければ。
握りしめるな
捨ててみろ
楽になり、本当の自分の力を使えるようになる。
そんなイエスの言葉を人は信じない。
イスラエル、ガザで起こっていること
ウクライナ、ロシアで起こっていること
根っこは同じ。
私には足りないものがある。
この国には足りないものがある。
足りないものを補おう。
一度掴んだものを手放すな。
執着、固執を忘れたら
力を抜いたら
暗い闇に吸い込まれてしまう。
この世界は暗い。
それが現実だ。
神はそれを見て「良し」と言われた。
自分の造った世界を見て満足した
「良い」と言った
世界は明るい。
世界の明るさ、光を遮っているのは人の執着。
それを捨てろ。
それが十戒の言葉
イエスの言葉
私の塩味、私の光
自分に張り付いたものを捨てていく。
その結果、見えたものを大切にしていく。
イエスの生き方。
それはイエスのみならず、誰にでも起こること。
自分に貼り付いたものはおそらく社会との調整弁。
これを捨てていけば自ずと社会の理解は得られなくなる。
その結果、イエスのように社会から追い出される。
それは現実に起こったこと。
だが、私たちは、その後に起こった現実も知っている。
イエスの言葉を否定していたパウロ
この者も自分に貼り付いた重りに気がつき、それを捨てていく。
信仰のみ
それが大切
それだけで十分と語り出す。
パウロも社会からは否定される。
だが、彼らの言葉は残り続け、語り伝えられてきた。
地の塩、世の光
批判され、否定される。
だがそれは必ず甦る。
決して終わることのない言葉として生き続ける。
私が私の仕事をする。
私以外の者に唆されて振り回されれば平和を作り出すことはできない。
世界は暗いと叫ぶ者たちを前にして
世界は明るいと信じて
安心して自分の仕事を果たしていく。
十字架によって知らされた己の醜さを自覚しつつ
神に造られた本当の自分として生きていく。
平和はどこかの誰かが作ってくれるものではない。
本当の自分を求めるものが作っていく。
地の塩、世の光を求めるものが作っていく。
平和はそういうものにしか作ることができない。
それは、あなたを置いて他に誰だと言うのか。

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