11月3日 主日礼拝
11月3日 主日礼拝
礼拝説教
伊藤大輔牧師
使徒言行録 9章1ー9節
使徒言行録という物語を読み進んできています。
物語は登場人物、主人公を変えながら進んでいく。
主人公を変えることによってそのテーマを浮き彫りにしようとしている。
物語はステファノの口を借りて私たち読者に語りかけてくる。
ステファノが取り上げた人物たち
ヨセフとモーセ
どちらも自分の使命に忠実だったもの
自分の賜物を用いても誰からも顧みられないヨセフ。
それでもヨセフはその賜物を用い続ける。
民の指導者として神様に任命されたモーセ
民を導いてエジプトを脱出する。
ただ民はモーセの言うことなど聞きはしない。
批判され否定されながらも、モーセはその使命を全うする。
自らのするべきことを全うする。
これを語っているステファノも同じ
時の権力者に命を狙われながらも自らの使命を全うする。
これに続くペテロの物語も同じ。
聖霊を与える賜物を持っていたペテロ。
魔術師シモンは、これをお金で買わせてくれと言う。
賜物を交換してくれと言う。
ヨセフも自分の業を人からの批判と交換しようと思えば交換できた。
幸福にならない自分の賜物など捨てて人の言いなりになってもよかった。
モーセも同じ。
自分の使命など、とっと捨てて民の言葉に従ってもよかった。
だが、彼らは交換をしなかった。
物語は進んでいく。
エチオピアの宦官が洗礼を受ける。
イエス・キリストについての言葉。
それはユダヤ人にはわかってエチオピア人にはわからないというものではない。
男性にわかって女性にはわからないというものでもない。
昔は意味があったが、今は何の役にも立たないというものでもない。
誰にでも
どこでも
いつでも
意義のあること。
自らの使命を全うする。
それは人類ならばしなければならないこと。
サウロは教会を迫害していた。
善悪で世界は区切れると思っていた。
自分は正しく教会は間違っている。
サウロはそう信じて疑わなかった。
サウロは光の中でイエスに出会う。
最初、相手が誰だかわからないサウロはその者に問いかける。
あなたは誰かと。
光の中から答えがある。
私はあなたが迫害をしているイエスだと。
物語を読み進んでいる私たちならわかる。
サウロが出会ったのはイエスとの個人的な出会いではない。
イエス・キリストとは何者か
物語を既に伝えている。
人類がしなければならないことを伝えた方
サウルがここで言われた言葉
あなたが迫害しているイエス
それは物語の言葉ではこうなる。
お前は人類を迫害している。
自分自身を迫害している。
善悪、白黒
区別をつけて優劣をつけるのが世界ではない。
世界は誰しもが己の使命を全うしているところ。
全うして結び合い、作り上げられていくのがこの世界。
サウロが今まで見ていた世界。
それは世界でもなんでもなかった。
何も見えていなかった。
ゆえにサウルは目が見えなくなる。
真っ暗になる。
それが実はサウロが見ていた世界。
使徒言行録という物語を読み進んでいる。
物語は主人公を変えながら私たちに問いかける。
人がしなければならないものは何か
私はそれを果たしているか。
世界が求めている私。
私はその私を生きているか。
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