8月24日 主日礼拝
8月24日 主日礼拝
礼拝説教
伊藤大輔牧師
使徒言行録16章25ー34節
ルカは物語を通してどのような世界を描こうとしているのか。
言われなき咎で牢屋に入れられたパウロとシラス。
夜に大地震が起こる。
牢屋の扉は全て開く。
看守は囚人は全員逃亡したものと思い自害しようと短刀を抜く。
その時、パウロは声をかける。
「皆、ここにいる」と。
「ない」と思っていたものがある。
これが本当の世界なのか?
看守はパウロに願い出る。
「救われるためにはどうすればいいか」
自分の知らない世界、本当の世界で生きるためにはどうしたらいいのか。
パウロは答える。
「主イエスを信じなさい」
主イエスとは誰か。
この直前の物語。
パウロは「イエス」の名によって悪霊を追い出している。
同様の場面は他にもある。
イエス自身が悪霊を追い出してもいる。
その顛末は全て同じ。
イエスの前から、イエスの名前の前から悪霊は抵抗することなく退散している。
歯が立たない。
勝負は見えてる。
決まっていること。
変わらないこと。
人は「ああすればこうなる」と因果律を仕立てる。
因果がうまく回るように準備をする。
不足がないか整えていく。
自分たちはいつも足りない状態。
準備怠りなく足りないものを補っていく。
点数、経済力、仲間、地位、兵器。
他と比べて足りないものがあればそれを修正していく。
それがこの世界を生きる術。
この世界では足りないものがあると敗北する。
努力次第で変わる世界。
努力をしなければ負けていく世界。
世界を変えるのは自分次第。
それは本当の世界か。
ルカは問うている。
楽園で蛇に唆された人間。
足りないものがあると言われた。
「足りない」は蛇の言葉。
神の言葉ではない。
ならば神の言葉とは何か。
イエス・キリストとは誰か。
十字架にかかり、命を落とす。
命をなくしたもの。
命が足りなくなったもの。
そのイエスは三日目に甦る。
命を持っている。
なくしていない。失っていない。
始めからあるものは変わらずある。
神は世界を造った時に言った「これで良い」と。
変わらない、決まっている。
「良い」がこの世界。
足りないものは何もない。
なくても良いもの、持っていても使い道のないものを人は欲しがるから「足りない」との錯覚に陥る。
この世界は錯覚を続ける場所ではない。
本当とは何か。真実とは何かを求めるところ。
ないと思っているものはある。
私は全てを持っている。
変わらないものがこの私に備わっている。
私自身。
それは変わらず永遠へとつながっている。
世界はどういうところか。
変わらぬ私を知るところ。
そこに世界の真実がある。
0コメント