8月31日 主日礼拝

8月31日  主日礼拝

礼拝説教

伊藤大輔牧師


使徒言行録16章35ー40節

パウロのフィリピでの出来事。

この物語は読者に何を伝えているのか。

パウロは女占い師に貼り付いていた悪霊を追い出す。

これによって金儲けができなくなった主人たちがパウロを捕らえ高官に引き渡す。

主人たちとは何者か。

経済を大事にしている者。

パウロが投獄されていた時に地震が起こる。

牢の扉が全部開き、それを知った看守は囚人が逃げ出したものと思い込み自害しようとする。

パウロによって全員が残っていることを知らされ、パウロに教えを請いたいと願い出る。

看守とは何者か。

仕事を大事にしているもの。

高官はパウロたちを釈放することに決め、それを彼らに告げる。

ところがパウロは自分はローマの市民権を持つものだと伝える。

驚いた高官はパウロのところに飛んできて詫びを入れる。

高官とは何者か。

権力、秩序に忠実なもの。

経済、職務、権力、秩序を大切にする。

何も悪いものではない。

私たちと同じ価値観を有している者。

これに対してパウロとは何者なのか。

これを考えるためのひとつの手がかり。

パウロに追い出された悪霊。

悪霊は何も抵抗をしない。

決まっていること、変わらないことを分かっている。

無駄な抵抗はせずにさっさと退散をする。

悪霊は知っている。

変わらないものがあることを。

経済、職務、権力、秩序を大切にしている者たちの共通点は何か。

世界は怖いと思っている。

怖い世界を生き抜くために経済、職務、権力、秩序にしがみつく。

世界は努力次第で変わると思っている。

パウロの持っているローマの市民権。

この後、パウロはまたエルサレムで捕らえられる。

その際にもまたムチで打たれそうになる。

その時、パウロは今度はムチで打たれる前に市民であることを告げる。

フィリピではムチで打たれてから。

エルサレムではムチで打たれる前。

なぜ市民権を公表するタイミングが違うのか。

理由は定かではないが、分かっていることはパウロは市民権を公表する時期を定めていない。

市民権を自分の権利として固辞しようともしていない。

どうでもいいものとすら思っている。

自らの生い立ちをパウロ自身が語る言葉が手紙の中に残っている。

立派な肩書、それを列挙した後にパウロはそれはどうでもいいものと思っていると語る。

なぜパウロは権威に執着をしないのか。

知っているから。

世界は変わらないと知っているから。

世界を造った神は、この世界を「良い」と言った。

世界は良い。

それは変わらない。

ならばなぜ、何かにしがみつく必要があるのか。

この物語は読者に問いかけている。

世界には変わらないものがある。

それを求めているか?

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