予定外

2019年5月5日

伊藤大輔牧師 

使徒言行録 18章18節―19章10節

使徒言行録、教会の物語。

私たちの教会とも重なる物語。

雄弁家アポロの登場。

このアポロは第二コリントにも登場する。

パウロのコリントの教会を励ます言葉の中で。

あなたちは「パウロに」「アポロに」などと言っているが、

それは教会の言葉ではない。

神が仕上げる。

それを忘れてどうする、という件の中で登場する。


アポロはパウロと並び称されるほどの実力のあるもの。

教会の力となっていた。

そのアポロではあるが、彼は肝心のことを知らないでいた。

洗礼はヨハネのものと思い込んでいた。

イエスの名による洗礼がある。

聖霊が下る洗礼がある。

自分の悔い改めのしるしとしての洗礼だけでなく、神の命が直接宿る洗礼がある。

アポロはそれを知らない。  


真面目な信仰がある。

本気で神様を大切にしているのはよく分かる。

誰もそれに異論はない。

それれでも大切なことがわかっていない。

何が正しく間違いか、その基準を設定することは簡単ではない。

少し異なる言葉、

自分たちの大切にしているものと違う言葉に出会うと私たちは不安になる。

予定外の言葉。

正当な出自でないもの。

そのものとの直面に人は緊張を覚える。


聖書は予定外の現実と直面していた。

戦争、敗北、国土消失。

予定外の現実との直面で何が起こったのか。

ヨハネの洗礼しか知らなかった者たちが主イエスの何よる洗礼を受けた、聖霊を受けた。

落ち着くべきところに落ち着く。  


人は不安になり何かにすがる。

パウロについたり、

アポロについたりする。

どれもが教会のあり方ではない。

世界の本当の姿をみてはいない。

行くべきところにちゃんと行く。

それが教会の結論、

世界のあり方。


どこにその証拠があるのか。

私たちも呟きたくなる。

だから信仰が求められている。

私たちの経験から言えば、予定外の者は排除するが正論となる。

しかし、世界は私たちの経験を超えて広く、どこまでも続いている。

神の予定は更に大きい。

行くべきところにいける。

敗戦の只中で教会が見つけた世界の現実。

神の言葉。


教会の物語は私たちと重なる物語。

この世界と重なる物語。

世界は人の知恵で進むのではない。

神の御手の内に行くべきところへ向かっている。

信じる。

教会はその姿勢を表す使命を担っている。 

日本基督教団本多記念教会オフィシャルサイト

渋谷区代官山の地に半世紀。本多記念教会は、青山学院大学初代日本人院長『本多庸一』を記念して、1953年に代官山にて創立された教会です。私たちは初めてのあなたを歓迎致します。

0コメント

  • 1000 / 1000