夜の光

2019年12月22日

伊藤大輔牧師 

ルカによる福音書2章8―21節  

クリスマスは夜の出来事。

それは人の心を表す。

私たちは夜にいる。

朝が信じられない。

未来に、これからに希望がない。

信じられるのは自分の力だけ。

自分の力が衰えていけば、

闇に吸収されていってしまう。

私は闇に負けるもの。

最後は闇に支配される。  


クリスマスは喜びのしるし。

何が嬉しいのか。

なぜメシアなのか。  


私たちは蛇の言葉に屈したもの。

「お前には足りないものがある。それを補え」。

足りないままにしておいたら闇に飲み込まれる。

蛇の勧めに従って、私たちは額に汗して働いていく。  


足りないものを補わなければ消えてなくなる。

それを防ぐのが正義。

少しなら他人の者を奪っても正義。

戦って奪っても正義。

戦争も正義になる。


足りないものを補わなければ。

蛇の言葉は私たちを夜から解放しない。  


神が造ったこの世界。

神はこの世界を見て「良い」と言われた。

「美しい」と言われた。

その世界を人は足りないと決め込んだ。

夜が始まった。

神の言葉。

語られ、それが全部「そのようになった」と実現する神の言葉。

人はその世界を否定し、追放された。  


羊飼いは天使の言葉を聞き、

全てが言葉の通りだったと知った。

マリアは天使の言葉が、

すべて実現したのを自分の身で経験した。


天使から告げられた言葉。

「その子はイエス」。

その言葉を実現した。


言葉が実現していく。

神の言葉が実現していく。

世界の初め、神の言葉が実現した世界。

人が否定した世界。

失われた世界。

なくなったと思っていたもの。

それが今、ここにある。


実現する言葉。

言葉は生きていた。

言葉は甦ってきた。  


世界は不十分とは蛇と人が思い込んだ世界。

世界は美しい。

満たされている世界。

創世記の神の造った世界が帰ってくる。


創世記の一日を区切る表現。

「夕べがあり朝があった」。

夜は明けていく。

朝を迎える。  


人は夜の中にいる。

いつまでも続くかのような夜にいる。

クリスマスは告げる。

夜は終わる。

朝がくる。

「私には足りないものがある」。

そうではない。

「それで良い」。

「あなたは美しい」。

それが私たちのまことの現実。

私たちは朝にいる。

 クリスマスの意義を味わいたい。 

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